物語





遥か昔、狂気と暴力、自由と希望の蔓延する時代……。

光文二十年。世界大戦において本国は列強相手に敗北した。
戦後の世は治安が崩壊し、テロ組織やヤクザが幅をきかせる。
古来の文化と、近代西洋文化の入り交えた文明都市は暴力に蝕まれていく。

菊池通実(きくちみちざね)もそんな裏の世界の住人だった。
彼は幼い頃の事情で戸籍がない。そして実家が剣術道場で、菊池流居合道免許皆伝を持っている。
それ等を生かしてダーティーな世界で暗躍し、とある政治結社の特攻部隊斬り込み隊長まで上り詰めた。

彼は、妹の小町(こまち)を異常に溺愛したり、死体に幻影を見るなど特殊な性癖の持ち主でもあった。
おそらく幼少期の戦争、借金苦、両親をヤクザに殺されるといった境遇による部分が大きいだろう。

そのため通実は他人を信じることができないでいた。

しかし、同じ特攻部隊、副隊長の宍戸麻予(ししどまよ)と公私に渡り付き合う内に、少しずつ心境に変化が起こってくる。
彼もまた通実と同じく複雑な変遷を経た人物で、事後処理、揉み消しのプロ。殺し専門の通実と組み着々と任務をこなしていった。

ある時、通実は任務を通し、両親を死に追いやったヤクザ瀧田組に潜入することに成功する。
組員として信頼を得ながら、復讐のときを待つ通実。

しかし、通実の妹、小町の元にも危機が迫っていた……。

通実の復讐劇の結末は? そして通実は小町を守ることができるのか?
今、愛憎入り交えた血風活劇が始まる……。

あなたにとって家族とは何ですか?

あなたにとって友達とはなんですか?

あなたにとって愛情とはなんですか?

あなたは幸せですか?

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