新世紀エヴァンゲリオン

 

エヴァンゲリオンといえば、一時期かなり流行ったので見たことある人も多いんじゃないだろうか。
綾波レイも今やオタク以外にも名の知れた存在になっている。少し前に新劇場版も公開され、まだまだファンも多いが、リアルタイムで放送されていたのは、もう十年以上も前になる。
俺やオセロットが小学生〜中一くらいの時期。まさに俺たちは直撃世代だ。といっても俺はテレビ放送で見たわけでなく、レンタルビデオで見たんだけどね。
ストーリーはあえて説明することもないだろう。
使徒と呼ばれる人類を脅かす謎の存在を相手に、主人公たちが人型決戦兵器エヴァンゲリオンに搭乗し戦いを挑むというロボットアニメ。
当時、周りの一部の人間が、エヴァに対して強い偏見を持っていた。エロくてグロくて気持ち悪いアニメらしいと。
いや、まあ、ある意味間違ってはいないけどね……。居間で飯食いながら見てて、ミサトさんと加持さんのセックスシーンが流れた時の気まずさは異常。グロいシーンといえば十三番目の使徒がエヴァに惨殺されるシーンがやばかった。首をへし折る、腕を千切る、そしてバラバラのグチャグチャに……オセロットとこのシーンを真似てごっこ遊びをしていた記憶がある。まあ、小学生ですから。
後に、エヴァの設定資料集みたいなものを見ていたら、十三使徒の話のスタッフが……。

“脚本、樋口真嗣”

って、あなたですか! この頃から俺は、樋口さんの作風の虜にされていたらしい。
さて、まあ周りの影響で、最初は俺もなんとなくエヴァを敬遠していたわけですよ。
そんな俺が何ではまってしまったかというとだ、母親がビデオ屋でエヴァを借りてきたのだ。うちの母親はビデオ好きで邦画洋画アニメ問わず、気になったものは何でも借りてくる人だ。まあ、嫌と好きは紙一重ってね。敬遠しつつも非常に興味もあったので、良い機会だから鑑賞してみると……面白いじゃねぇか、このやろう。と、どっぷり漬かってしまったわけである。
うちの母君は最近のオタクブームを見て「この萌え〜とか言うのが気持ち悪くてしょうがないんだよね、あたし」とかぬかしやがる。ああそうかい、気持ち悪いかい。だがな! 息子をその世界に引きずり込んだのは他ならぬあんただってことを忘れるなぁ!  
もともと漫画好きではあったが、エヴァにはまって以降、急激にオタ化したからなぁ。
エヴァはいわゆる萌え系アニメの類ではないが、後のアニメのキャラ萌え路線に大きく影響を与えたのは確かだろう。
大阪美術専門学校の教科書にも「エヴァンゲリオンが流行ったのは、綾波レイの魅力による部分が大きいですね」と、庵野秀明監督のコメントが掲載されている。確かに当時、アスカとレイの人気は凄かったからな。ちなみに俺はアスカ派だった。まあ、二人とも現実にいたら完璧な人格破綻者だが……。
ガメラ3にかなりエヴァっぽさが見えるのは、樋口監督がエヴァのスタッフだったからとして、ガメラの後に公開された新メカゴジラシリーズにもエヴァの影響がかなり見受けられる。女性パイロット、暴走、etc..

少し余談になるが、ちょっとしたトリビア。ロボット+女の子という組み合わせは、エヴァを初めとして沢山のアニメで見られ、萌え産業に貢献している。さて、初めてこの組み合わせを扱った、いわば原点的作品だが、なんと昭和の「メカゴジラの逆襲」らしい。メカゴジラの原動力は、サイボーグ少女の思念で、最初ゴジラを圧倒するが、最終的には少女がやられ、動かなくなったメカゴジラをゴジラが破壊。という展開だったと思う。ついでに、メカゴジラに代表される、ロボット怪獣だがそれを初めて考案したのは、なんと我らが地元の大先生、水木しげる氏とのこと。それがゲゲゲの鬼太郎の「大海獣」という話だ。
ジャングルの奥地で見つかった大海獣という古代の巨大生物の遺伝子を注射された鬼太郎は、体が変化し巨大な怪獣になってしまう。その鬼太郎を倒すために、作られたのが大海獣を模したロボット、ラジコン大海獣だ。水木氏は妖怪モノが有名だが、けっこうこういうSFチックな話も書いている。
つまり、エヴァンゲリオンのルーツは、ゲゲゲの鬼太郎と言えるのだ!(な、なんだってー!? ……なんという論理の飛躍)

話をエヴァに戻そう。エヴァが売れたのは、キャラデザインやエログロもあるだろうが、やはり最大の理由は全編に張り巡らされた謎だろう。謎や推理というのは人の心を強く惹きつける。さらに、周囲との意見交換や議論といったコミュニケーションツールとしての役割をはたせる。このコミュニケーションツールとしての役割というのが、売れる作品としては非常に重要らしい。ひぐらしのなく頃にとかまさにそうだし。
ただ、この謎が最後まで明かされなかったことで、エヴァは駄作だと批判する人もいる。
確かに、俺も映画で最終回を見たが、正直、当時はまったく意味不明だった。今はある程度わかるが、それでも謎のままになっている部分が多々ある。結局、風呂敷を広げるだけ広げて畳みきれなかったか。
と、思っていたら、最近ななって、新劇場版の公開をするとは。相変わらず、商売の仕方が上手いな……。そもそも、当時にしても、最終話を映画で公開ってどうよ? って感じだったし。
まあ、あの最終話は単純にテレビで流せんかっただけかもしれんけど。もともとグロい描写が多かったエヴァの中でもトップクラスのグロさだったからなぁ。抗議がきて、エヴァ以降、アニメの表現規制が一気に厳しくなったって聞くし。今や「中に誰もいませんよ」ごときで放送中止になる世の中だからな。

ストーリー、キャラクター以外でエヴァの魅力といえば、あの特徴的な演出だろう。
サブリミナル的にカット割を多用したり、黒字に白バックの文字出したり。残酷な天使のテーゼに乗せて繰り出されるオープニング映像にはかなり痺れたな。今はエヴァの劣化版みたいな似たような演出は溢れてるけど、当時は衝撃的だったね。
まあ、かく言う俺も映画の演出面でかなり影響を受けてるけどね。てか、授業でエヴァの映像見せられたし。

十年たっても人気の衰えが見えないエヴァンゲリオン、果たしてこの先どうなる
か? 新劇場版の顛末は? まだまだ目の離せない作品だ。

 

トップへ
トップへ
戻る
戻る