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幽遊白書


だいたい、男子は一度は熱いバトル物にはまることが多い。
同世代ではドラゴンボールにが人気だったが、俺の場合、幽遊白書が一番はまったバトル物だった。
実家には漫画とビデオが全巻揃っている。
交通事故で死んだ主人公、裏飯幽助が霊体から生き返り、霊界探偵として人間界に仇なす妖怪たちと戦う、というストーリー。
非常に分かり易いバトル物の少年漫画。
前半は幽霊になった幽助のコメディタッチな物語だったが、途中からバトルに路線変更した。結果的には成功だったと思う。
昔はまっていた一過性のマイブームの漫画は幽白以外にもたくさんある。前述のドラゴンボールだって好きだったし。
だが、自分の中で幽白は別格で、今でも漫画やアニメを見返したり、今回みたいなバトル物を書く際に、参考にしたりもする。
何故、その他多数の作品ではなく幽白なのか?
俺の中で幽白を特別たらしめている要素は
『圧倒的な中二病要素』
『個性的で魅力的なキャラクター』
『痺れる名台詞』
の三つ。

まず『圧倒的な中二病要素』に関しては、本作を知っている人間には説明不要だろう。
かの有名な邪気眼のコピペは、幽白の飛影をモデルにしてると思われるし。


(邪気眼のコピペ)

中学の頃カッコいいと思って
怪我もして無いのに腕に包帯巻いて、突然腕を押さえて
「っぐわ!・・・くそ!・・・また暴れだしやがった・・・」とか言いながら息をを荒げて
「奴等がまた近づいて来たみたいだな・・・」なんて言ってた
クラスメイトに「何してんの?」と聞かれると
「っふ・・・・邪気眼(自分で作った設定で俺の持ってる第三の目)を持たぬ物にはわからんだろう・・・」
と言いながら人気の無いところに消えていく
テスト中、静まり返った教室の中で「うっ・・・こんな時にまで・・・しつこい奴等だ」
と言って教室飛び出した時のこと思い返すと死にたくなる

柔道の授業で試合してて腕を痛そうに押さえ相手に
「が・・・あ・・・離れろ・・・死にたくなかったら早く俺から離れろ!!」
とかもやった体育の先生も俺がどういう生徒が知ってたらしくその試合はノーコンテストで終了
毎日こんな感じだった

でもやっぱりそんな痛いキャラだとヤンキーグループに
「邪気眼見せろよ!邪気眼!」とか言われても
「・・・ふん・・・小うるさい奴等だ・・・失せな」とか言ってヤンキー逆上させて
スリーパーホールドくらったりしてた、そういう時は何時も腕を痛がる動作で
「貴様ら・・・許さん・・・」って一瞬何かが取り付いたふりして
「っは・・・し、静まれ・・・俺の腕よ・・・怒りを静めろ!!」と言って腕を思いっきり押さえてた
そうやって時間稼ぎして休み時間が終わるのを待った
授業と授業の間の短い休み時間ならともかく、昼休みに絡まれると悪夢だった


作品を詳しく知らない人も、以下の登場アイテムや技名を見れば、それだけで今作がいかに中二病的かわかるだろう。

『邪王炎殺黒龍派』(じゃおうえんさつこくりゅうは)
『次元刀』(じげんとう)
『薔薇棘鞭刃』(ローズ・ウィップ)
『風華円舞陣』(ふうかえんぶじん)
『魔哭鳴斬剣』(まこくめいざんけん)
『武装闘気』(バトルオーラ)
『追跡爆弾』(トレースアイ)

もはや振り仮名がなければ読むことすらできない……だが、それがいい!
基本、生涯中二病なのだが、この手のネタを考えるのは苦手なので、中二っぽい技とか名前とか出したい時は、参考にしている。

また、キャラクターの思考も実に中二病的だ。
仙水忍というキャラクターがいるのだが、彼は主人公、幽助の前に霊界探偵をしていた男だ。
正義感が強く潔癖で、この世には善と悪があり、妖怪は人間に害をもたらす悪だと信じていた。
だが、とある任務を通じ、仙水は人間の悪の極みを見ることとなる。
人間が妖怪を、嬲り殺しにする、悪の宴を。
仙水はその場にいた人間を全て殺し、価値観が180°変わり、人間は滅びるべきだと考えるようになる。
そして魔界と人間界を繋ぐ穴をあけ、人類を皆殺しにしようと企む。
勧善懲悪が基本のジャンプにしては、珍しいタイプの敵役だった(最近はデスノートみたいなのもあるが)。
「人間は生きるべきか、死ぬべきか……」
人間なんて汚いものだ、滅んでしまえばいいんだ、まさに中二病思考そのもの。
もっとも仙水の場合、ちゃんと理由があってのことなので、単純に中二病とはいえないが。
ただ、これを読んだ少年少女たちで「そうだよな、人間は醜いよな、滅んだ方がいいよな」っていう中二病に誘われた人はたくさんいるんじゃないだろうか。

また、作中にはこれに関連して「黒の章」というビデオテープが出てくる。
人間の歴史の中で最も残酷で非道な部分だけを何万時間に及び記録した、霊界の資料だ。

「お前らだってあのビデオを見れば価値観変わるぜ!!人間は生きるに値しないってな
殺されるために並んでる子供の列を見たことあるか?その横でうずくまってるウジ虫だらけの死体を。
明日殺されることがわかっててオモチャにされてる人間を見たことあるか? それを笑顔で眺めてる人間の顔をよ。
目の前で子供を殺された母親の顔を見たことあるか!?その逆は!?
殺ってる奴らは鼻唄まじりでいかにも「楽しんでます」って顔つきだ わかるか!?
人は笑いながら人を殺せるんだ!! お前だってきっとできるぜ 気がついていないだけでな!!」

というような内容らしい。おそらく、この仙水一派の思想は、作者の富樫氏の考えなんだろうな。
こういう人間の汚さを書くのが異常に上手い、この作者は。
しかし少年誌で人間皆殺しでENDってするわけにはいかないから、人間にも良い奴はいる、っていう奇麗事っぽい感じでまとめたんだろうけど。


第二に『個性的で魅力的なキャラクター』
どんな媒体の物語でも、キャラクターは最も重要な要素だというのは、何度か書いた。
漫画だとそのウェイトが特に高い。
幽白の場合、熱血主人公の裏飯幽助、三枚目で人情家の桑原和馬、知的で美形の蔵馬、悪っぽいダークヒーローの飛影。
と、少年漫画のセオリーを抑えつつ、各キャラクターに上手く個性を持たせている。
蔵馬と飛影の女性人気は異常。蔵馬が流血担当でよく苦悶の表情を浮かべているのは、腐女子向けのサービスだろうか……?
主役人もいいが、私的には脇役や敵役の描き方が上手いと思う。
少年漫画の場合、主人公陣はある程度決まった型があるので、脇の方が作者らしさが出ると言うし。
個人的に好きなキャラクターは戸愚呂兄、躯、左京。ちょっとマイナーなキャラが多いが(笑)

戸愚呂兄は、ブログでも何度かとりあげたことのあるくらいお気に入りのキャラクター。
長髪、陰険でちょっとホラーっぽい顔、黒ずくめ、でもよく見ると美形という外見がまずツボ。ヴィジュアル系バンドとかにいそうだ。
性格は極悪非道で、他人をいたぶるのが好き。悪役の鑑の様な男だ。
内臓の位置を自在に動かしたり、体を変化させたり、やられても何度でも再生したりするのだが、これがいちいちにグロい。
個人的に自己再生系のキャラは好きなので、このあたりもポイント高し。
最終的には、幻覚を見せる寄生植物を植え付けられ、死ぬことすらできず、未来永劫幻影と戦い続けるという無残な最期を。
能力がエグい、性格がエグい、最期がエグい、とにかくエグいお兄ちゃんでした。こういうキャラ書かせると、富樫氏は本当に上手い。
しかしまあ、俺がこのキャラが好きな大きな理由は、アニメによるところが大きいですが。
声優さんの声としゃべり方がすばらしい。やっぱり、声優って大事です。

躯は魔界三大勢力の一つをまとめる、女戦士。
生まれた時から性奴隷で、自由の身になるために、自ら酸を被り右半身を失う。
少年ジャンプに載せるにはなんというギリギリの設定……最初に読んだのは小学校低学年だったが、正直、当時は彼女の生い立ちの意味がよくわからなかったし。
作中後半で、それぞれ別の道を進むことになった幽助と飛影。飛影は躯と組むのだが、この二人の関係が好きだ。

躯  「俺と幽助が戦えば、お前はどっちにつく?」
飛影「どっちにもつかん、勝った方と俺が戦う。今なら100%お前が勝つだろうがな」
躯  「それが半分嘘だ。もし今現在そうなれば、お前は幽助につく。俺と幽助の力が互角なら、お前はどちらにもつかないかもしれないが。
    ちょっとそいつが羨ましい」

躯、なんか可愛いです(笑)
言ってることは「仕事と私、どっちが大事なの?」とか訊く馬鹿女と同じようなことだが、彼女の場合、普段、男みたいで気丈な戦士だから、たまにこういう女の子らしいところ見せられるとグッときます。
しかも「ちょっとそいつが羨ましい」なんていうジェラシーまで……躯、可愛いよ、躯……。

左京に関しては、完璧にアニメの影響です。まあ漫画より先に、アニメから幽白に入ったので。
アニメオリジナルエピソードの、桑原の姉、静流さんとの恋が好きなので。
根っからのギャンブラーで、勝負のルールは守るし、負けた分はしっかり精算する。
最期は自分の命を賭けた勝負に負け、試合会場ごと自爆した。
戸愚呂兄が卑劣な悪役の鑑なら、左京は悪の美学の集大成と言ったところだろうか。


三つ目の『痺れる名台詞』
以下に個人的に好きな台詞を書き記しておこう。

「世の中に善と悪があると信じていたんだ。戦争も良い国と悪い国が戦っていると思ってた。可愛いだろ?だが、違ってた。オレが護ろうとしたものさえクズだった―――― 」
人間に絶望した仙水の台詞。

「俺は 花も木も虫も動物も好きなんだよ。嫌いなのは…人間だけだ」
同じく仙水の台詞。俺も動物は好きなので気持ちはよくわかります。

「好きなものを殺す時、自分は一体何のために生まれてきたのかを考える時のように気持ちが沈む。だがそれがなんとも言えず快感だ」
敵キャラ、鴉の台詞。
気持ちが沈むのが快感、これってわからない人には一生わからない感覚だろうな。
微妙な鬱具合が心地よいとかよくあるが。
え……もしかして、俺、メンヘラー?

「あんたは私を正義といったが そんなつもりはないよ。たまたま嫌いなやつに悪党が多いだけの話さ」
「さっきも言ったが、あたしゃ正義の味方じゃないからね。気に入らない奴には容赦しないよ!」
幽助の師匠、幻海師範の台詞。富樫氏は善悪という分類が多分好きではないのだろう。

「『キャベツ畑』や『コウノトリ』を信じている可愛い女の子に無修正のポルノをつきつける時を想像するような下卑た快感さ」
仙水の友人、樹の台詞。人間の醜い姿を見て、苦悩する仙水をただただ傍観する樹。
この変態っぽさがたまらん(笑)

「あんたには美学がなさすぎる」
卑怯な手段で勝とうとする豚尻さん(酷い名前だw)に言った左京の台詞。
美学にこだわる彼らしい。そして、俺もこの台詞から美学というものを意識するようになった。

「結局腐っていたのは俺のここ。誰のせいでもない、俺自身の脳味噌だ」
左京の台詞。だいたい暗黒面を持つものは、何かしらの理由があってそうなってしまうと描かれることが多いが、左京の場合、純粋な悪だった。
普通と呼ばれる家庭で生まれ、何不自由なく育ったのに、いつの間にか闇の世界の住人になっていた。
この台詞は好きなので、リアルで自嘲気味、失敗した時にたまに使う(笑)

「いけません、負けをチャラにしてもらうなんて、ギャンブラーとして最低です」
そう言って、命を賭けた勝負に負けた左京は、自ら死を選ぶのだった。
最後までギャンブルに生きた男だった……。



幽遊白書はとても長い話の気がするが、漫画は全19巻しかない。20巻30巻越える漫画が多い中、ヒット作にしては非常に短い。
それでも長く感じるということは、かなり物語の密度が濃いということだ。
今紹介では管理人の好みでエグい部分、グロい部分ばかり語ってしまったが、富樫氏は友情・感動といった、少年漫画のセオリーもちゃんと描けるということを、一言添えておく。





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